
結婚式って、「一生に一番写真を撮られる日」だと思いませんか?
依頼したフォトグラファーはもちろん、ゲストのお友達、親戚、みーんなが新郎新婦に注目してシャッターチャンスを狙っているし、新郎新婦と一緒に写真を撮りたいと思っていますよね。
それもそのはず。その日、その場所に集まった人々は、新郎新婦の晴れ姿をじっくり目に焼き付け、新郎新婦との時間を共有したいと思って遠路はるばる集まってきているのですから。
そこで・・・と始めたい話は沢山あるのですが笑
今日はカメラマンのお話をしてみますね。
外注カメラマン
結婚式を挙げようと契約したホテル、結婚式場(ゲストハウス)、レストランで当然のように出てくる「写真撮影」というメニューですが、基本的にこちらは「外注のカメラマン」が撮影します。
ホテルやレストランの正社員のカメラマンって聞いた事ないですから、会場の外の人と契約しているんですね。
「外注カメラマン」と言うのは、「カメラマンを派遣する事務所」に依頼している。という事です。
そしてカメラマンを派遣している事務所は、お仕事が入ってくると社内のお抱えカメラマンさんや、契約しているフリーのカメラマンさんにお仕事を振るわけですね。
さて、いよいよ夏も終わって気候が良くなってきた今。いよいよブライダルシーズンに突入ですね!毎週土日、祝日はあちらこちらで結婚式が執り行われています。多い式場さんでは、一日に何十件も結婚式&披露宴をこなしているそうです。
そんな中、上記のカメラマンを派遣する事務所さんは大忙しです。
特に10月、11月の土曜日大安なんて言ったら、契約しているあちらこちらの会場さんからカメラマンの依頼が入るわけですね。で、当然社内のお抱えカメラマンでは人数が足りずに、フリーのカメラマン、またその知り合いのカメラマン、またその紹介のカメラマン・・・と、探していくわけです。
えっとですね。何が言いたいかと言いますと、貴方の結婚式の撮影に来てくれる「プロのカメラマン」は、結婚式の撮影が得意なプロではないかもしれませんよ!という事なんです。
プロにも得手不得手があるという事
プロのカメラマンと言っても、物撮りと言って商品に照明を当て、撮影スタジオで撮影するのが得意なカメラマンもいれば、レストランのメニューなど、食品を美味しそうに撮るのが得意なカメラマンも居ます。また、よちよち歩きの子供を可愛く撮らせたらピカイチ!という方も居れば、仕事が出来そうな自信満々なプロフィール写真を撮るのが得意な方も・・・
とにかく、大きい一眼レフとレンズを持っていればプロのカメラマンかと思いきや、実はそうではないんです。
料理人に日本食の板前さんと、フレンチのシェフが居るようなもんです。
残念だな。と思う結婚式のアルバム
では、結婚式の撮影はどうでしょう?
もちろん私はプロのカメラマンではありませんから、抑えるべき仕事が具体的に分かるわけではありませんが、ウェディングドレス屋としてこれまで沢山のお客様のブライダル写真を拝見し、新郎新婦に結婚式の感想を伺ってきた中で、残念だった写真を思い出しながらつらつらと書いてみますね。
・同じ式場で結婚式を挙げた方は、同じ写真(ココで撮影してねって言うのが決まっているんでしょうね)
・真っ白いお洋服であるウェディングドレスは、撮るのが難しい(ドレスのディティールを出そうとすると顔が暗くなり、顔を明るく移そうとするとドレスのデザインが飛ぶ)
・「笑って笑って!」しか言わないカメラマンには笑えない
・たいていご新郎さまは緊張していて、誰か別の人みたいに顔がこわばっている
・キャンドルサービスの写真が暗い
・介添えさんが写っている写真が多い
・太陽の光が燦々と降り注ぐ野外での撮影は、顔に影が出来てしまう(更に風が強いハワイなど、ビーチでの撮影は特に大変そうです)
・ロケーションは良好なのに、なぜか記念写真ぽい(ドラマを感じない)
・二次会で着たドレスの全身写真は大抵ほとんど残っていない
・花嫁の立たせ方が下手(ウェディングドレス屋的に、ここのボディラインを写して!という角度があります。花嫁みんなに教えてからJellishを送りだすけど、結局当日はカメラマンのポージング指示に従ってしまうものです・・・涙)
・アルバムが重くて開く気がしない(きっと高い方のアルバムをお勧めされたんだろうなーと思ってしまう)
・誓いのキスの写真が近い(いや、これは好みでしょうけど、見せられる方としては照れるわけで・・・笑)
うーん、いろいろな結婚式のお写真、見せて頂いたな。結婚式が終わった後、お写真を送ってくださったり、アルバムを持って店に来てくださった新郎新婦の皆さま、本当にありがとうございました!改めてここでお礼を申し上げますm(_ _)m
ウェディングドレス屋は、送りだすばっかりで、当日の美しい姿は拝見できないですからね。のちにお写真でご報告いただけるのは本当に嬉しい事なのです。
良い結婚式だったんだね!と、こちらも幸せになってしまうアルバム
さてさて、あんまりだな・・・と感じたお写真の話を参考に、ステキなアルバムはどんな感じなのか?イメージしてみましょうね。
・誓いのキスや、ケーキカットなど、重要なシーンの写真がキチンと抑えられている
・挙式の緊張感を感じさせる写真がある
・その日のお天気を思い出させるような記録写真がある
・ご両親の複雑な思いを感じられる写真がある
・新郎新婦のキャラクターが分かるような、自然な表情が写っている
・新郎新婦がこだわった演出や小物がキチンと記録されている
・ゲストが披露宴を楽しんだであろう様子(表情)が写っている
・その場に居なくても、披露宴が楽しい雰囲気だった、盛り上がった。という感じが分かる
・新郎新婦が美しい立ち姿でキメた写真がある(結婚しましたハガキとかに使うやつね。)
・ドレスの後ろ姿がしっかり写っている(花嫁本人は見れないから)
・新郎新婦がラブラブだって事が分かる写真がある
・・・いろいろ挙げてみましたが、キリが無いですね汗
それくらい、二度とやり直しがきかない「結婚式」の最中に抑えるべき写真、取るべき行動が沢山あるって事なんです。
で、話は戻りますが、秋のブライダルシーズンにかき集められた「プロのカメラマン」は、みなこれが出来ちゃうもんなんでしょうか?
もちろん理想はそうであってほしいですが・・・そうとは限らないと私は思います。だから、イマイチな写真も沢山見てきました。
ブライダルシーズンにかき集められた、普段は婚礼の撮影なんてしていないカメラマンは、アルバイト感覚であなたの結婚式の撮影に来ているかもしれません。何なら、メインの仕事ではないけれど「結婚式の撮影くらい簡単」と思っているカメラマンだっているかもしれませんしね。
ちなみに「ブライダルスナップ カメラマン」で検索すると、日給18,000円~アルバイトの募集をしているページもあります。
その日やってくる「プロ」は、信頼できる腕の持ち主なのか?
せっかく沢山のお金を払って、時間をかけて準備した結婚式を記録&空間を切り取ってもらうのに、結婚式が得意じゃないカメラマンにお願いする(もしくは勝手にあてがわれる)のって、やっぱり納得いかないと思いませんか?
私だったらその日初めて会う人に、カメラ越しに笑えと言われても全く笑える気がしません。「いいね!」や「美しい!」を共有できる人なのか?不安です。
ウェディングドレスは先に試着できるし、お料理は事前に試食も出来る。会場のお花やブーケは、現物で無いにせよ写真で確認できる。ヘアメイクさんも大抵当日担当してくださる方にリハーサルをしてもらうことができる(それで気に入らない場合もあるけど、その話はまた今度)
だけど、写真と動画だけは自分たちの結婚式をしてみない事には、撮影してもらえないんですよね。
では、どうするのか?
結婚式当日、撮影してくれるカメラマンを自分で探すんです。
たった一度の結婚式。お花は枯れちゃうし、ゲストは帰っちゃうし、お料理もケーキもなくなってしまいますが、手元にアルバムと動画が残ります。
結婚式に来られなかった方に、当日の様子をお伝えしたり、自分たちが10年後も20年後も、楽しかったこの日を思い出す為に、ぜひ失敗しないカメラマン探しをしてみてください。
その人が過去に撮った作品を見て、自分が好きだなって思えるテイストの写真を撮ってくれる人を見つけるんです。検索やfacebookでも沢山ヒットしますよ(もちろんJellishでも、安心してお任せできるブライダルフォトグラファーをご紹介しています)
本来なら、結婚式の日取りを決めるのと同じタイミングでカメラマンの日程を抑えなければならないくらいです。だって、その人が撮る写真が好きなのであれば、代役はいません。そのカメラマンのセンス、技術を買うんです。
あ、ちなみにカメラマンを持ち込めない会場もありますからどうぞ契約時に確認して、OKだったら会場の担当者さんにサインをもらっておいてくださいね。
打合せが進んでいくうちに「持ち込めません」って話が変わったりする場合も多いですから。
何百万もの買い物をするんですから、慎重に打ち合わせを進めて行ってください。
その点「しがらみのないハコ」で結婚式を挙げようという選択をすると、自由度が高いです、参考までに。
撮ってほしい写真リストを作る
それから、同時に「こんな写真を撮ってほしいというイメージの写真」を集めます。イメージはなかなか言葉では伝えにくいですから、画像で見せるのが一番です。ピンタレストやfacebook、ご自身のスマホの中に、好きだなって思える結婚式の写真を集めて、カメラマンさんに伝えてください。
Jellishもピンタレストを始めたので、覗いてみてくださいね!私が素敵だなと感じる写真をどんどん集めています。
適正価格について
最後になりましたが、本文の最初の方に触れた「外注カメラマン」の話に戻りましょうね。
言葉では「依頼」とか「紹介」とか書きましたが、当然これはお仕事ですから「発注」です。
そのたびに仲介手数料がかかり、同時に現場に出るカメラマンの手取りが減っていく。という建設業界のような構図となっていきます。
実際に現場に入るカメラマンは、当然価格なりのお仕事しかしませんよね。私だったらそうです。だって、技術が売り物なんですから。
その上、機材も自前の消耗品です。
昔でいうフィルムや、今どきのメモリーは消耗品で、カメラはずっと使う物。と感じますが、沢山シャッターを押すプロのカメラマンにとってはシャッター一押しもカメラを消耗させているという認識なのだそうです。カメラ本体も消耗品という事です。
自分たちが期待を込めて支払うお金。それに技術と経験で応えてくれるプロの思い。
このバランスが取れている事が、納得の結婚式に繋がる一本の糸ではないでしょうか?