
最初にお伝えしたい(謝っておきたい)のは「私自身はカラードレスにあまり興味ないんです」という事です。ごめんなさい。
でも、この所立て続けに何人かの花嫁さまが、カラードレスをオーダーしにJellishにいらしてくださったので、少しカラードレスのお話をしたいと思います。
カラードレスを着る意味
まず、どうして花嫁さんは披露宴で白いウェディングドレスから、色がついたカラードレスに着替えるのが一般的なのでしょう?私見ですが、いくつか理由が考えられます。
1、着物(白無垢)の文化を洋服に当てはめた
花嫁さんが白無垢を着て(まっさらな状態で)新郎宅に挨拶に出向き、色打掛を掛ける。つまり、新郎の家の色に染まります。という風習がありました。今でも北陸など一部地域でこのような風習が残っている場所もあります。
この風習になぞらえ、”白いウェディングドレスの後は色が付いたドレスに着替えましょう。”と、おそらく花嫁衣装が着物からドレスに移行してしまう事に焦った当時の衣装屋さんが仕掛けたものではないかと思われます。
ちなみに、ウェディングドレスの本場では、カラードレスに着替えるべき。という文化はありません。
2、披露宴の最中に息抜きをするため
最近の結婚式は、15分~20分の挙式の後、2時間30分の披露宴をする。というのが結婚式の定番です。
話は逸れますが、先日少し話をしたインドの方のお話では、現在でも結婚式は3日間行われるそうで、ゲストも何千人単位だそうです・・・
さて、その2時間30分の披露宴の途中で、新郎新婦が中座してお色直しをする。というのが定番になっています。おそらくプランナーさんは「途中で新郎新婦のお二人も、ゲストの視線から離れて一息ついて。ゲストの皆さまにも、新郎新婦が居る緊張感のある雰囲気から、ちょっと目を離してお料理を楽しむ時間を作ってあげてください」と、お色直しもしくは中座をお勧めされると思います。
まぁ、私の個人的な意見としては、お二人の為に沢山の方が時間を作って会いに来てくださっているのに、目の前から姿を消すのは失礼じゃないかな?という方が大きいのですが、これは個人個人の考え方ですね。ちなみに私自身のウェディングパーティはビュッフェスタイルで2時間30分ほどフリータイムがありましたが、120名近くのゲストの皆さま全員とお話しする事が出来ませんでした。
立食で、余興も無しなのに、全員とお話できなかったんです。着席で、お色直しで中座などしていたら、ゲストお一人お一人と目を合わせる事すらままならないのではないでしょうか?
3、演出のひとつ
(新郎)新婦が何を着て登場するのか?というのは、特に新婦のお友達の女性陣は興味深々な部分だと思います。
いつも通りの雰囲気で、格好よくクールな印象のドレスなのか?意表をついて可愛い雰囲気で登場するのか?はたまた和装で登場するのか?
まぁ、男性のゲストは違いが分からないと思いますが・・・
4、ドレスのデザインを一着に絞れない
たまにいらっしゃるのが、ウェディングドレスのデザインを二択から一着に絞り切れずに、一方をウェディングドレスとして。もう一方をカラードレスとしてお召しになる方がいらっしゃいます。
ウェディングドレスは一着しか着られませんから、選んでいるうちに「あんなデザインも、こんなデザインも着たいな~」という希望が出てきて、それを両方叶えてしまおう!という事で、当初はお色直しする予定が無かったのに、カラードレスも着る事にするとか、デザインの全く違うウェディングドレスを二着お召しになった例もあります。
5、親御さんの見栄
新婦本人は、あまりカラードレスに興味が無いのだけれど、お母さまがどうしても着替えなさい!ということで、しぶしぶレンタルのカラードレスを着る事にする。という話は良くあります。
ウェディングドレス一着しか着せられないみたいで、ケチっぽい。みっともない。という事だそうです・・・理解不能です。
着たくないものを着ていると、女性は表情に現れますからね。興味が無いカラードレスのレンタルに何十万円も支払う意味が分かりません。
ウェディングドレス一着で一日過ごして欲しい理由
あれこれあげてみたら、結構カラードレスを着る理由が出てきて私も驚いていますが、それでもカラードレスを無理に着る必要が無いのでは?と思うのには私なりの理由があります。
1、その日は「白」を着ている人が他に居ない。
その日新郎新婦以外に、白という特別な色を着ている人は居ません。せっかく主役なのですから、一日中特別な色を身にまとっていては如何でしょう?出発の日にふさわしい、心が清々しくなる色なはずです。
また、どんなにゲストの多いパーティでも、どこに新婦が居るのか?一目で分かりますね。
2、衣装屋さんの思惑に乗らない
私も衣装屋さんの端くれではありますが、白無垢→色打掛を掛ける風習と、ウェディングドレス→カラードレスに着替える習慣は、明らかに意図が違うと思います。「ウェディングドレスからカラードレスに着替えるのが一般的ですよ~」というのに、乗らなくてはならないわけではありません。
それに、今どき「貴方色に染まります」と思っている女性が居たら驚きです。
もちろん私は着物も大好きですし、花嫁さんしか着られない白無垢や色打掛文化が(職人さんも含めて)廃れてしまうのには危機感を感じていますので、あえてここに添えておきます。
3、ウェディングドレスはその日しか着られない
当然ですが、読んで字のごとく。花嫁として祝福のシャワーを浴びるその日にしか着る事の許されないお洋服ですから、朝から晩まで着て着倒してほしい!家までウェディングドレスで帰って欲しい!というのがオーダーウェディングドレス屋の思いです。
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確かにバブルの頃など、洋装から和装からとっかえひっかえお色直しをして、豪勢な結婚披露宴の時代もあったし、まだそんな風習が残っている地域もあります。また、ドレスを着て皆に披露できるのは、結婚式くらいしかありませんから、せっかくだからカラードレスも着たい!と思う気持ちも分からないではありません。
とはいえ、ここまで言いたい事を言ってしまうと、「Jellishでカラードレスもお作りできますよ!」って、なんだか自分で言いにくくなってしまいましたので、この続きは日を改めて・・・汗