
「マタニティ用のウェディングドレスはありますか?」
「妊婦も着られるウェディングドレスは何着ありますか?」
というお問合せを頂くことがあります。現に入籍する新婚カップルの30%は授かり婚というデータもありますから、そのうちのどれくらいかの女性がウェディングドレスを探しているのも当然でしょう。
余談ですが”サズカリコン”とタイプしても”授かり婚”いう変換が出てきませんでした。ブライダル業界では当たり前に使っている言葉ですが、一般的ではないんですね。少子化が叫ばれる今となっては「できちゃった婚」とは言いませんね・・・
さて、そんなお問い合わせがあると、私は少し困ってしまいます。というのもJellishのドレスには「ここからここまでがマタニティ対応のウェディングドレス」という区別が無いからです。
つまり、どのドレスも妊婦さんに着て頂くことが可能です。
ここで少し補足ですが、Jellishのウェディングドレスは5号~15号、150cmから175cmのおサイズの花嫁さまに同一価格でウェディングドレスをご提供しています。
ただ、150cm以下or175cm以上のお身長の女性、また5号以下or15号以上のおサイズの女性、更にお胸だけ特に大きい。お尻だけ特に大きい。お身体が薄い。肩幅だけ広い。などの特徴的なお身体の方には「サイズオーダー」をお勧めしています。
これにはドレス価格に30%追加料金をお支払いただくだけで、ご自分だけの型紙を制作し、まさにピッタリサイズのウェディングドレスをイチからお作りできるというご提案です。
+3万円~5万円(ベースになるウェディングドレスの価格による)を追加するだけで、パタンナーが自分の為のウェディングドレスの型紙を引いてくれるって、ちょっと優越感がありますよね?しかも、挙式直前のサイズ調整時のお直し代など、追加料金は頂いておりません。
ここで話を戻しますがJellish的な発想から言うと”マタニティ”も”特徴的な体型”も同じ。という事なんです。いわば、「お胸が大きくてウェストが前に向かって大きい体型の方」という事です(もちろん現実的にはそう簡単ではありませんが)。
ですからJellishのウェディングドレスは、全て妊婦さんが着用可能にお作りいたします。
どんなデザインがマタニティ向きなウェディングドレスか?
どのデザインでもお選び頂けますよー!と、大きな口をたたいたものの、やはり妊婦さんの日々変わっている体型。体調により、様々な想定が必要になってきます。ですからここでは挙げる例は、もちろん全ての方に当てはまるわけではない事を予めご了解ください。
1、エンパイアラインのドレス
「妊婦さん用のウェディングドレス」というと、みなさんがパッと思いつくのがこれだと思います。妊婦じゃないのに、妊婦さんぽく見えるから選択しない。という花嫁さんも居るくらいです。
もちろん、アンダーバストに切り替えがあって、ウェストを絞っていないデザインなので、マタニティ用ウェディングドレスとしてお選び頂くのは問題ないと思います。
ただし注意点は、エンパイアラインでビスチェタイプのドレスは、中身のドレスはウェストが絞られているよ!という事。
外から見ると、お腹周りがふんわりしていて、窮屈に見えないかも知れませんが、ビスチェ(ベアトップ)という構造上どうしてもドレスをゴムで身体に固定する必要があります(肩ひもなど、ぶら下げる要素がないから)。
ですから、中身のドレス(裏地と言ったら分かるかな?)は、普通に身体にフィットさせて、ボーンと言って固い芯をいれてあり、ゴムベルトを身体に巻きつけてドレスを固定する構造になっています。
ですから当然、マタニティの花嫁さんがお召しになるなら、中のドレスのウェストを大きく作っておく必要があります。
また、このゴムベルトの位置やキツさがお腹の成長具合や体調によって異なるので、できれば肩や袖のついたデザインの物を選んでおくか、ビスチェタイプを選択するのであれば、取外しの肩ひもを用意しましょう(じゃなかった、お作りいたします!)。
ちなみに、エンパイアドレスは比較的トレーンも短く、スカートの広がりも少ないため、ドレス本体の重量が小さい物が多いです。その分、身体への負担は少ないと言えるでしょう。
お腹ごまかし度→★★★☆☆ 楽ちん度→★★★★☆
2、Aラインドレス
ウェディングドレスの下に”パニエ”というスカートを広げるインナーを履いた上でAランのドレスを着る。これもお腹が目立ってきた妊婦の花嫁さんにおすすめです。
アンダーバスト→お腹→スカートの広がりをきれいに繋げてあげると、お腹がスカートの一部になってしまって、少しくらい出っ張っていても目立ちません。
昨今では体重制限を課せられるのが一般的でスリムな妊婦さんが多いですが、そうは言っても5か月後半になってくると、さすがにお腹が目立つようになってきます。あまり目立たせたくないな。と思うのであれば、Aラインのドレスがおススメです。
ただ、エンパイアラインのドレスよりも、よりウェディングドレスらしいデザインが多くなってきますから、重量が増してきます。という点で楽ちん度は★三つ。
お腹ごまかし度→★★★★★ 楽ちん度→★★★☆☆
3、肩、袖のあるドレス
エンパイアラインのドレスの部分でお伝えした通り、ビスチェタイプのドレスはゴムベルトでウェディングドレスを身体に巻きつけておく必要があります。
妊婦でなければ気にならない程度の圧迫ですが、当日の体調の事を考えれば避けておいた方が無難です。肩紐やお袖のあるデザインのウェディングドレスなら、肩からドレスをぶら下げておくようなイメージなので、身体(特に腹部)に掛かる負担が少なくて済むでしょう。
お腹ごまかし度→測定不可 楽ちん度→★★★★★
4、オフショルダーのドレス
これまで、身体への負担の話をメインにしてきましたが、最後は「見栄え」の話です。
オフショルダーというのは、肩の外側にお袖がついている、ウェディングドレスやイブニングドレスなど、フォーマルドレス独特のデザインです。
なぜこのデザインがおススメなのか?
それは、肩幅を強調し、鎖骨を際立出せ、腕をほっそり見せてくれるからです。
どう頑張ってもお腹は日に日に成長してきます(しなきゃ困る)。つまり、自慢のくびれたウェストは、しばらくお休みです。ここで、”ウリになる女性らしい身体のパーツ”となってくるのが、くっきり出た鎖骨、すらりと伸びた腕です。
元々持っていないしー!という方も、マッサージなどで是非現状をキープしてください。
お腹やお胸がどんどん変化していくのは、誰にも止められないし、むしろお腹の赤ちゃんが順調に成長しているという喜ばしい証なわけで、それに抗おうとするのがもしかしたら邪道なのかもしれませんが(つまり、妊婦さんなんだから妊婦さんらしくふっくらしていれば良いという考え)、せっかくの自分の為の結婚式ですから、皮を一枚むいてでもスリムに見せたい!というのは、マタニティではない花嫁さんと同じ思いだと認識しています。
ですから、妊娠しても影響の少ない部分である鎖骨、腕(手首)を自分の出来る範囲でキープして、そこを自信を持ってアピールして欲しいんです。
また、オフショルダーは肩の外側に張り出すように袖がついて肩幅を強調してくれますから、バストより大きいサイズになったウェスト(通常はバストの方が大きい)をごまかしてくれる効果があります。ビスチェタイプのドレスだと、砂時計どころか三角形になってしまう可能性も。
お腹ごまかし度→★★★★★ 楽ちん度→★★★★☆
5、セル(オーダー)ドレスを選択する
必ずそうとは言えませんが、相対的にレンタルのウェディングドレスより、セルドレスの方が軽いです。
何度も選択してもOKなように頑丈な生地を使用し、しっかり作ってあるレンタルドレスは、やっぱり重量も嵩みます。また、自分より大きいサイズの方が着られるように、余分な生地を携えています。
また、何度も申し上げているように、レンタルのドレスは着る人がドレスに体を合わせる必要がありますが、セル(オーダー)ドレスはドレスを自分に合わせる事が可能です。
具体的には、ぺったんこの靴を選択できます。その上、スカートを持たずに歩けます。
お腹が大きくなってきて、もしかしたら体調が芳しくないかもしれない。ヒールを履いて、ブーケを持って、その手で歩くたびにスカートをたくし上げる余裕があるかどうか・・・右手は、新郎と腕を組むために使えません。念のため。
お腹ごまかし度→デザインによる 楽ちん度→★★★★★!!
まぁ、オーダードレス屋のブログですから、最後はこんなオチですよ。ご了承くださいませ笑
「マイドレスっていう選択肢もありかなー?」と感じたマタニティ新婦さんは、御来店予約をお待ちしております♪