
Jellishはヘアセット、メイク、着付けのできるヘアセットサロンとしても営業しているため、ここ一か月ほどは七五三のお仕度のお客様もお見えになりました。
週末に七五三のお仕度をした可愛らしいお子さんを目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。先週末は秋らしいお天気で、七五三にはもってこいの陽気でしたね。
私の着物好きは3歳の七五三で着物を着せてもらったのがきっかけと母から聞いているので、着物デビューのお子様たちに着物好きになってもらえると良いな~と思いながら着付けをいたしました。
3歳の女の子は付け紐の着物に三尺帯(子供用の浴衣の帯。金魚みたいなやつね)を締め、被布と呼ばれるチョッキのようなものを羽織ります。髪の毛も女の子によってはホヤホヤしていて、おリボンを留め付けるのが精いっぱいだったりして、その子どもらしいビジュアルもまた可愛いですよね。
こうして見てみると和装用小物は、通常の洋服の生活ではもはや身に着けなくなってしまった独特なアイテムばかりです。
7歳の女の子は数え7歳の11月15日より、宮中で行われていた「帯解きの儀」に倣い、子供用の付け紐の着物から大人と同じ形の着物と帯を身に着けるようになります。
7歳の女の子の七五三のお仕度は花嫁衣裳を模したものと言われ、花嫁支度と同じように筥迫(はこせこ)や懐剣、しごきを身に着けます。
筥迫(はこせこ)
山浦私物の筥迫。結婚式の後の食事会で、振袖に合わせました。ぶら下がっている丸いのは香袋です。
筥迫(はこせこ)とは、今でいう化粧ポーチのようなもので、懐紙や紅を入れて持ち歩くためのものです。
懐剣(かいけん)
実際には剣は入っていないので、紐を解いてみないでね(笑)お花の形に見えるのは「菊結び」と呼ばれる飾り結びです。
また懐剣とは、その名の通り短い剣をきれいな布の袋に入れているものなのですが、これは現在の花嫁支度が「武家の花嫁」のスタイルであることから、武家に嫁ぐ花嫁として有事の際の覚悟の証として身に着けます。
この「覚悟」の意味が、剣で戦えという意味なのか自決も辞さずという意味なのか想像を掻き立てますが、一般的に花嫁姿って幸せそうなイメージしかありませんが、実はそんな決意を表すアイテムを身に着けているんです。
しごき
しごきまたは抱え帯という、帯の下端あたりに巻く布。こちらは長く引きずる打掛をたくし上げるための予備の紐の名残だそうです。
大奥を思い出していただけると分かりやすいと思うのですが、みんな廊下をずるずると着物の裾を引きずって歩いていますよね?あれが打掛です。それを外出する際、腰のあたりでたくし上げ、しごきで結んだと言う事です。
あまりに親しみがなさ過ぎて、呼び名さえも危うい和装小物たちですが、我々の民族衣装の話です。ぜひ興味をもって触れてみてください。
だんだんと冬に近づくにつれ、着物が着やすい気候になります。たまには着物を着てお出かけしてみてはいかがでしょう?