
先日、結婚式を無事に済まされた花嫁さまの、フィッティング時のお写真のご紹介です。
お母さまがお召しになったウェディングドレスのリメイクを承りました。
「お母さまが結婚式にお召しになったドレス」と言っても、例えばおばあさまがお母さまのために仕立ててくれたドレス。ドレスショップで購入したドレス。お母さんが着た後、何人か親戚が着たドレス・・・など様々です。
これまでリメイクでお預かりしてきた「ママドレス」は「どなたか身内の素人の方が仕立てたドレス」がほどんどだったのですが、最近は時代の流れと共に「花嫁のお母さま」が「セルドレスを選択できた世代」に移り変わり、「ドレスショップで購入したドレス」も増えてきました。
私がこのセルドレス(販売ドレス)業界に就職したのも20年以上前の話で、確かにセルドレスは選択肢としては珍しかったかもしれませんが、セルドレス自体がセンセーショナルと話題になった時代はすでに終わっていました。
成人式の振袖も「ママ振」と言ってお母さまの振袖を着る方が増えてているそうですから、今後結婚式に「ママドレス」を。という選択肢も増えてくるかもしれませんね。
さて、今回のリメイクですが、お母さまがご結婚された当時に主流だった「レッグオブマトン・スリーブ」と呼ばれる大きなパフのついた長袖のお袖を外し、ノースリーブにアレンジしました。
おサイズはほぼお直し無しで、デザイン的にもっとあれこれ手を入れた方が良いのではとイメージされていた花嫁さまでしたが、私やお母さまも含めあれこれ検討した結果、結局このシンプルな状態がお似合いになるという結論に達し、お袖を外して始末をした以外はほとんど手を加えずにリメイク終了となりました。
当時「シルクオーガンジーを使用したシンプルなデザインのドレス」を気に入ってご購入されたお母さまの趣向をそのままお嬢様も受けついた形となったわけです。
「ゆくゆく娘が生まれたら、このドレスを着てくれると嬉しいな」という思いの入ったお母さまのドレスを、本当にお嬢さまが着てくださるという事でお母さまのご希望が叶い、お嬢さまもお母さまのご期待に応えつつ、ご自分の中の「花嫁像」を叶える事ができれば、またひとつ温かいストーリーを含んだ結婚式になりますね。
お持ち込みドレスのお直しも承っておりますが、お預かり品の取り扱いは慎重さを必要とするため、アトリエの混雑状況によりお受けできない場合もございます。ぜひご相談はお早めにお願いいたします。