テラス・庭・館内。結婚式の会場は、何を手がかりに選ぶか

室内から見たテラスと芝の庭

テラスがいい気もするし、庭も捨てがたい。館内の落ち着きも悪くない。会場の写真を並べて眺めているうちに、どれも良く見えてきて、かえって決まらなくなる。結婚式の舞台選びは、たいていそこで止まります。止まるのは、迷いが深いからではなく、比べ方が雰囲気になっているからかもしれません。ここでは、テラス・庭・館内のどれを選ぶかを、好き嫌いの手前にある手がかりから考えてみます。

目次

結婚式の舞台を、雰囲気で比べると決まらないのはなぜか

WHY IT STALLS

雰囲気は、どの場所にもあるからです。良いもの同士を並べても、差はつきません。

写真で見るかぎり、テラスには開けた感じがあり、庭には季節があり、館内には落ち着きがあります。どれも本当のことです。本当のことばかりを三つ並べて、そのなかから一つを選べと言われても、手がかりがない。決め手が出てくるのは、そこに「その場所を、何時に、どのくらいの時間使うのか」という条件を入れたときです。

ジェリッシュ・ウェディングでご案内している福井の会場でいえば、ワクテラスは日本海の夕日を望むテラスと客室を、日本海倶楽部は庭でのガーデン挙式と、梁と煉瓦の館内での会食を、それぞれ貸し切ります。会場ごとに貸切の形が違うので、そもそも何を貸し切ることになるのかは結婚式場を「貸し切る」ということにまとめました。ここでは、その先の話をします。

結婚式の舞台を選ぶとき、実際に見ておく手がかりは何か

FOUR CLUES

四つあります。光の向き、風と音、座ったときの距離、出入りのしやすさ。この四つは、その場所に一時間ほど立ってみれば、たいてい体のほうが先に分かります。

手がかりその場所で見ておくこと
光の向きその時刻に、光がどちらから入るか。顔に当たるのか、背にまわるのか
風と音風が通るか。まわりの音がどう聞こえ、話し声がどこまで届くか
座ったときの距離十名から十五名が座ったとき、端の人と端の人がどのくらい離れるか
出入りのしやすさ席を立って戻るまでに、どこを通ることになるか

なぜこの四つなのかというと、どれも写真には写りにくいからです。光の向きは写真にこそ写っていますが、それが何時のものかは写っていません。風の通り方も、話し声の届く範囲も、席を立ちやすいかどうかも、画面の外にあります。写真で分かることは写真で確かめて、写真で分からないことだけを、その場で確かめる。そのくらいの分担でいいのだと思います。

とくに三つめは、人数の話でもあります。同じ場所でも、そこに何人が座るかで、場所の性格は変わります。十名から十五名で挙げるという考え方そのものは少人数の結婚式とは。10〜15名で挙げるという考え方に書いています。

同じテラスでも、季節で光の入る向きはどう変わるのか

THE SUN MOVES

一年で、六十度ほど動きます。太陽が沈む位置のことです。

「西に沈む」と言うとき、私たちはそれをひとつの向きだと思っています。実際には、沈む向きは季節でかなり振れます。福井のあたりの数字を出すと、こうなります。

季節日の入りの方位(福井・2026年・めやす)
春分ごろ(3月20日)約270度=ほぼ真西
夏至ごろ(6月21日)約300度=真西より30度ほど北寄り
秋分ごろ(9月23日)約270度=ほぼ真西
冬至ごろ(12月22日)約241度=真西より30度ほど南寄り

方位は北を0度として時計回りに数えた角度です。年によって少し前後します。夏至ごろと冬至ごろでは、太陽が海に降りていく位置が六十度ちがう。同じテラスに立っていても、夏は右手のほうへ、冬は左手のほうへ沈んでいく、ということです。

これが舞台選びに効いてくるのは、光がどこから入るかが変わるからです。まわりに建物や木があれば、ある季節には視界の外にあり、別の季節にはちょうど太陽の手前に来る、ということも起こります。テラスと庭と館内のどれが向くかは、その日ひとつを見ただけでは決まりません。下見に行った日の光は、その日の光です。

沈む時刻のほうも、季節でおよそ二時間半動きます。時刻の数字は日本海に夕日が沈む時間帯は、季節でどう変わるかに季節ごとに並べてあります。動かせない時刻を先に置いてから、その前後に一日を並べていくという順番については結婚式当日のスケジュールは、何時間で考えるものかのほうに書きました。

結婚式の舞台は、一つに決めきらなければいけないのか

NOT ONE PLACE

決めきらなくてかまいません。一日が長いので、そもそも一か所で過ごすことになりません。

ワクテラスであれば、チェックインは11:00、チェックアウトは翌日の11:00です。その長さを一か所で通すという前提のほうが、むしろ無理があります。朝の光が気持ちよい時間と、昼の風が心地よい時間と、日が傾いてから外を見ていたい時間は、同じ場所とはかぎりません。

ですから、下見のときの問いは「この場所で一日を過ごせるか」ではなくて、「この場所は、何時ごろに向くか」のほうがいいのだと思います。テラスと庭と館内は、競っている三択ではなく、一日のなかで順番に出てくる場所だと考えると、選ぶという作業がだいぶ軽くなります。

時間帯によって場所を変えることを考えられるのは、同じ日に他の組の予定が入っていないからでもあります。そのあたりの事情は結婚式当日、会場に他の組が入らないとどうなるか。貸切という選び方にまとめました。

結婚式の会場には、何を聞いておけばよいか

WHAT TO ASK

設備の名前ではなく、その日の過ごし方を聞くことです。同じ質問でも、聞き方をそう変えるだけで、返ってくる答えが具体的になります。

舞台を決める前に、会場へ聞いておきたいこと

  • この季節のその時刻に、光はどちらから入りますか
  • 風の強い日は、いつごろ、どのくらい吹きますか
  • その場所には、何名まで座れますか
  • 室内からその場所へは、どこを通って出入りしますか
  • 雨や風が強い日は、どの場所に移ることになりますか
  • 日が落ちてから、その場所はどのくらい暗くなりますか

答えは会場ごとに違いますし、季節や時刻によっても変わります。ですから、ここで一律にこうですとは書けません。お打ち合わせのなかで、一緒に聞いていくところだと思っています。打ち合わせはオンラインと、横浜での対面で承っています。

結婚式の会場選びについて、もう少し詳しく

A CLOSER LOOK

福井・日本海のほとりの二つの会場そのものは会場のページに、11時のチェックインから翌朝までの並びは一日の流れのページに置いています。光の向きや時刻を先に見ておくのは、その日をどう残すかにもつながる話で、その考え方は写真家がプロデュースする結婚式、という考え方に書きました。挙式、お料理、ご宿泊、衣装、ヘアメイク、装花、写真、プロデュース料まで、総額の目安は150万円から200万円。内訳は、一組ごとにお見積りします。詳しくはプランのページをご覧ください。

結婚式の舞台は、テラス・庭・館内のどれを選べばよいですか?

好みの前に、その場所を何時に使うかで決まります。見ておく手がかりは、光の向き、風と音、座ったときの距離、出入りのしやすさの四つです。会場ごとの形は会場のページにまとめています。

同じ場所でも、季節によって見え方は変わりますか?

変わります。福井では日の入りの方位が、夏至ごろの約300度から冬至ごろの約241度まで、一年で六十度ほど動きます(2026年・めやす)。同じテラスでも、太陽が沈んでいく向きが季節でずれます。

結婚式の舞台は、一つに決めなければいけませんか?

決めきらなくてかまいません。ワクテラスであれば11:00から翌日の11:00までの一日ですので、時間帯によって、いる場所が変わることが前提になります。どの場所を何時ごろに使うかは、お打ち合わせのなかで決めていきます。

選んでいるのは、場所ではなく時刻のほう

テラスがいいか、庭がいいか、館内がいいか。この問いには、たぶん最後まで答えが出ません。出ないままでかまわないと思います。実際に決まっていくのは、どこが好きかではなく、その日の何時に、どこにいたいか、のほうだからです。場所の名前は、そのあとから付いてきます。

光の向きも、風の通り方も、話し声の届く範囲も、立ってみないと分かりません。分からないまま決めなくていいように、私たちがいます。まだ季節も決まっていない、という段階でかまいません。

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