フォトツアーとは何か。結婚式の前後に、写真家と土地を歩くということ

夕方の低い光のなか、草地の道を歩く家族の後ろ姿

フォトツアー、という言葉に決まった定義があるわけではありません。写真を撮る時間のことだろう、というところまでは伝わっても、それが一日のどのあたりにあって、そのあいだ何をしているのかまでは、名前だけでは像を結びません。ここでは、挙式の前後に写真家と土地を歩くという時間について、何をする時間なのか、一日のどこに置くとよいのかを順に見ていきます。

目次

フォトツアーとは何か

WHAT IS A PHOTO TOUR

ジェリッシュ・ウェディングのフォトツアーは、挙式の前後に、写真家と一緒にその土地を歩く時間のことです。会食のあいだの写真とあわせて、はじめから一日のなかに入っています。あとから頼み足すものではありません(写真家がプロデュースする結婚式、という考え方)。

名前に「撮影」と入っていないのは、たぶん、そういう時間だからだと思います。決まった場所に立って、というような形とは少し離れています。歩いて、立ち止まって、また歩く。撮る人と撮られる人が同じ向きに動いている時間、と言ったほうが近いかもしれません。

ひとつだけ先に書いておくと、これは移動ではありません。会場から次の場所へ移る、その道すがらに何枚か、という意味ではないということです。歩くこと自体に、時間が取ってある。そう考えていただくのが、いちばん近いと思います。

結婚式の写真は、別の日に撮るのと、当日のなかに置くのと何が違うか

ONE DAY OR TWO

衣装を着て写真を撮る時間を、どこに置くか。大きく二つの置き方があります。式とは別の日を一日作ってそこで撮るか、式のある一日のなかに入れておくか。

どちらがよいと決まっているものではないと思います。別の日を作れば、その日はその日で、朝から支度をして、衣装を着て、という一日になります。二回できる、とも言えますし、二回いる、とも言えます。そこは、お二人がその時間をどう使いたいかの話です。

同じ一日のなかに置いた場合に何が変わるかだけ、書いておきます。ひとつは、支度が一度で済むこと。髪も、衣装も、その日一度きりです(結婚式のお支度を、誰と・どこで整えるか)。

もうひとつは、歩いているあいだ、招いたご家族がまだその場にいるということです。別の日に取る場合は、その日そこに誰がいるのかを、あらためて決めることになります。同じ一日のなかであれば、決めるまでもなく全員がそこにいます。

あとは、空のことがあります。日を分ければ、天気を見てから決められる余地が生まれます。一日のなかに置けば、その日の空で歩くことになります。当日の空が変わったときにどうするかは、結婚式の当日に雨が降ったらどうするかのほうにまとめました。

フォトツアーは、一日のどの時間帯に歩くのがよいか

WHEN TO WALK

外を歩く時間ですから、明るいうちに、ということになります。まず、そもそもどれくらいの幅があるのかを見ておきます。ワクテラスであれば、チェックインは午前11時です。そこから日が沈むまでの時間は、季節でこう変わります。

福井の日の入り11時から日の入りまで
3月20日18:077時間7分
6月21日19:158時間15分
9月23日17:516時間51分
12月22日16:455時間45分

いちばん短い冬でも、五時間半以上あります。日の入りの時刻が季節でどう動くかは日本海に夕日が沈む時間帯は、季節でどう変わるかに詳しく書きました。

そのうえで、もうひとつ見ておきたいものがあります。太陽の高さです。

福井(北緯36.07度)で、太陽が空のどのあたりにあるかを、季節ごとに計算してみました。数字は度で、0度が水平線、90度が真上です。

太陽の高さ3月20日6月21日9月23日12月22日
正午ごろ(南中)約54度約77度約54度約31度
日の入りの2時間前約23度約22度約23度約18度
日の入りの1時間前約11度約10度約12度約10度
日の入りの30分前約6度約5度約6度約5度

上の段と下の段で、様子がまるで違います。正午ごろの高さは、冬至の約31度から夏至の約77度まで、二倍以上ひらきます。ところが、日の入りからさかのぼって測ると、一時間前はどの季節も十度前後、三十分前は五度前後で、ほとんど動きません。

つまり、夕方の光は「何時か」では決まらないということです。決めているのは、日の入りまであと何分か、のほうです。日の入りの時刻そのものは一年で二時間半以上も動きますが、そこから逆算した空の高さは、季節を越えてほぼ同じところにあります。

ですから、歩く時間を置くときに見るのは、時計ではなく、その日の日の入りの時刻です。日の入りの一時間前というのは、三月なら十七時すぎ、六月なら十八時すぎ、九月なら十六時五十分ごろ、十二月なら十五時四十五分ごろ。時刻はばらばらですが、外に出たときに見えるものは、だいたい同じです。

数字について

日の入りの時刻は、上に挙げた記事に載せたものと同じ値です。太陽の高さは、その時刻をもとに計算しためやすで、年によって前後します。正午ごろの高さについては、緯度と季節から出る値(春分・秋分=90度−緯度、夏至・冬至=そこに約23.4度を足し引きした値)とも一致することを確かめてあります。

そして、この逆算のとおりに時間を置けるかどうかは、その日の会場に他の予定が入っているかどうかで変わります。次に控えている組がいなければ、日の入りのほうを先に置いて、そこから前を組んでいけます(結婚式当日、会場に他の組が入らないとどうなるか)。一日をどこから決めていくかという話そのものは、結婚式当日のスケジュールは、何時間で考えるものかが引き受けています。

どこを歩くのかは、いつ決めるものか

WHERE TO WALK

歩く先については、ここに書けることがあまりありません。場所によって違いますし、同じ場所でも季節と時刻で変わるからです。

ただ、決めることになるのは行き先の名前ではなく、次の三つくらいだと思います。

決めることそこで効いてくるもの
敷地の中で歩くのか、外へ出るのか出るなら、往復にかかる時間がそのまま一日から引かれる
外へ出るなら、何で行くのか歩いて行ける距離か、車が要るか。何台に分かれるか
足元がどうなっているか芝、砂、土、石畳、坂。当日の靴がここで決まる

三つめは、地味なようでいて、当日いちばん体に響くところです。年配のご家族や小さなお子さんが一緒に歩くのであれば、先に分かっているほうが支度がしやすくなります(高齢の家族と、遠方での結婚式子ども連れで、遠方の結婚式へ)。

この三つは、どれも机の上だけでは決まりません。会場の造りと、その日の空と、歩く人の顔ぶれで決まります。日取りより先に決めようとしなくて大丈夫です。下見の予定があるなら、建物の外へ一歩出てみる時間を取っておかれるとよいと思います(結婚式場の下見は、何回行くものか)。時刻が変われば同じ場所も別の顔になる、という点はテラス・庭・館内。結婚式の会場は、何を手がかりに選ぶかのほうで扱っています。

フォトツアーには、家族も一緒に歩くのか

WALKING TOGETHER

十名から十五名というのは、全員が同じ方向へ歩ける人数です。一列になれば長い列に見えますが、ひとかたまりで歩けば、ただの一団です。誰かが遅れても、待っているあいだに話が始まります。

歩いているあいだ、何をしているかというと、たぶん、特に何もしていません。海のほうを見たり、誰かが誰かに話しかけたり。写真のためにここにいる、という感じの薄い時間だと思います。

その薄さは、たぶん、悪いことではありません。式のあいだは、全員が同じほうを向いて座っています。会食のあいだは、席が決まっています。歩いている時間だけは、誰の隣に立ってもよく、どこを見ていてもいい。一日のなかで、並び方が決まっていない時間というのは、案外そこしかありません。

ご家族とどう一日を過ごすかについては、結婚式に招く家族と、どう過ごす一日にするかのほうにまとめています。

フォトツアーについて、もう少し詳しく

A CLOSER LOOK

ここまでは、歩く時間そのものの話でした。その時間が一日のどこに挟まるかは一日の流れのページ、歩く舞台になる二つの会場は会場のページ、総額の目安と、そこに何が含まれるのかはプランのページにあります。

フォトツアーとは、何をする時間ですか?

挙式の前後に、写真家と一緒にその土地を歩く時間です。ジェリッシュ・ウェディングでは、会食のあいだの写真とあわせて、はじめから一日のなかに入っています。会場から別の場所へ移る道すがらに撮るという意味ではなく、歩くこと自体に時間を取ってあります。

結婚式の写真は、別の日に撮るのと当日に撮るのと、どちらがよいですか?

どちらがよいと決まっているものではありません。式のある一日のなかに置いた場合は、支度が一度で済み、招いたご家族がその場にいる状態のまま歩くことになります。別の日を作る場合は、その日の支度と、そこに誰がいるのかを、あらためて決めることになります。天気を見てから日を選べる余地が生まれるのは、別の日にした場合のほうです。

フォトツアーは、一日のうち何時ごろに歩くのがよいですか?

時計の時刻ではなく、その日の日の入りから逆算して置くのが分かりやすいと思います。福井では、日の入りの1時間前の太陽の高さは季節を通じて10度前後、30分前で5度前後と、ほとんど変わりません。一方で日の入りの時刻自体は一年で2時間半以上動きます。「16時に」と決めるより「日が沈む1時間前に」と決めるほうが、季節が変わっても同じ時間になります。

歩いていた、ということのほうが残る

写真を撮る時間、と書いてきましたが、あとになって残るのは、撮られていた記憶ではないように思います。風が強かったとか、思ったより遠くまで歩いたとか、そういうほうではないかと思います。

一日のうちの、ほんの一部の時間です。式のように形が決まっているわけでもなく、会食のように席が決まっているわけでもない。ただ歩いていただけの時間が、あとから見ると、その日いちばん自由だった時間になっていることがあります。フォトツアーというのは、たぶん、そういう置き方の名前です。

その日に外を歩くかどうかも含めて、ご一緒に考えます。日取りも、歩く先も、いまは何も決まっていなくてかまいません。

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