結婚式の日取りを決めるとき、その日の空だけは選べません。半年先の天気は、誰にも分からないままです。ですから天気の話は、どうすれば晴れるかではなく、崩れたときに何が動かせるのか、という話になります。ここでは福井の雨の降り方を数字で見たうえで、当日の空が変わったときに手元に残っているものを並べてみます。
「雨の日」といっても、一日じゅう降っているのか
HOW THE RAIN FALLS
雨という一語で、その日を丸ごと塗りつぶしてしまう前に、降り方のほうを見ておきます。
| 月 | 雨や雪が降った日 | まとまって降った日 (日に10ミリ以上) | 日が一度も差さない日 | 日照率40%以上の日 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | 18.6日 | 4.7日 | 4.6日 | 16.3日 |
| 5月 | 16.7日 | 4.8日 | 4.9日 | 17.0日 |
| 6月 | 18.7日 | 4.7日 | 5.4日 | 12.2日 |
| 9月 | 19.2日 | 5.6日 | 4.1日 | 14.9日 |
| 10月 | 19.5日 | 5.1日 | 4.6日 | 17.0日 |
| 11月 | 22.6日 | 7.3日 | 4.0日 | 12.7日 |
気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均・福井)による日数です。
十月を例にとります。三十一日のうち、雨や雪の降る日はおよそ十九日。二日に一度以上です。ところが、日が一度も差さなかった日は、同じ月に四日か五日しかありません。引き算をすると、およそ十五日は、降った日でもどこかで日が差していたことになります。
まとまって降る日——一日に十ミリ以上——となると、さらに減って月に五日から七日ほどです。週に一度か二度、という割合になります。
逆のほうも見ておきます。雲がほとんどない、いわゆる快晴の日(平均雲量が1.5を下回る日)は、四月で3.4日、十月で3.0日。月に三日ほどです。晴れというのは、多くの場合、雲のある晴れのことでした。
つまり、一日を晴れか雨かの二つに分けてしまうと、実際の空との距離が開きます。空は、一日のあいだに何度も変わります。なお、ここで見たのは日数の話で、月ごとにどれだけ降るかという量の話は福井の気候と、結婚式に向く季節の考え方のほうにあります。
結婚式の当日に天気が変わったとき、動かせるのは何か
WHAT CAN MOVE
空そのものは動きません。動かせるのは、順番のほうです。
一日のなかには、動かせない時刻がいくつかあります。日の入りの時刻がそうです。何月に挙げるかで前後はしますが(日本海に夕日が沈む時間帯は、季節でどう変わるか)、日が決まってしまえば、その日の分数は一分も動きません。帰りの列車の時刻も、動かせないほうに入ります。
それ以外には、入れ替えのきくものが多く残っています。外に出るはずだった時間を後ろにずらす。先に食卓につく。雨があがるまで、窓のそばで待つ。待つというのは、予定を捨てることではなく、順番を後ろに置きなおすことです。
入れ替えがきくのは、その時間に別の予定がぶつからないからです。その日その会場を使うのが一組だけであれば、次に控えている組がいません(結婚式当日、会場に他の組が入らないということ)。貸切という言葉が何を指しているかは結婚式場を「貸し切る」ということに、一日をどこで区切って、どの時刻に何を置くかという考え方は結婚式当日のスケジュールは、何時間で考えるものかにあります。
そして、外に出られる時間は、式の前後だけではありません。ワクテラスであれば、チェックインは午前十一時、チェックアウトは翌日の午前十一時です。午後がだめでも、夕方があります。夕方がだめでも、翌朝があります。二時間のうちに空が変わるのを待つのと、一日のうちのどこかで変わるのを待つのとでは、待てる幅が違います。それだけの話ですが、当日の身の置きどころは、ずいぶん変わってきます。
屋外にするかどうかは、いつ決めればよいのか
WHEN TO DECIDE
先に決めておくとよいのは、屋外にするかどうかではなく、それを何時に決めるか、のほうだと思います。
天気予報は、その日が近づくほど細かくなります。一週間前に見た予報と、前の日の夜に見た予報と、当日の朝に窓から見た空は、それぞれ別のものです。どれを根拠にするかを決めていないと、三回とも相談することになります。当日の朝に迷いたくないのであれば、迷う場所を一箇所に決めておく、という手があります。
決めておくことは三つだけです。いつ決めるか。誰が決めるか。何を見て決めるか。この三つが先に決まっていれば、当日は、決めた時刻に空を見上げるだけで済みます。
そして、決めたあとに変わってもかまわない、という前提も一緒に置いておきます。屋内でと決めたあとに日が差してきたら、そのとき外へ出ればいい。外にすると決めたあとに降ってきたら、屋内に戻ればいい。順番を入れ替えられる一日では、判断は一度きりのものではなくなります。
雨のときにどこへ移るかは、建物の形によって違ってきます。ここは一般論では書けないところですので、候補が絞れた時点で会場に確かめておかれるとよいと思います。どの場所が何時ごろに向くか、という見方についてはテラス・庭・館内。結婚式の会場は、何を手がかりに選ぶかにまとめています。
招く家族には、天気のことを何と伝えておくか
WHAT TO TELL THEM
天気について、招く側が実際に手を打てるのは、たぶん家族の身支度のあたりまでです。そのぶん、ここは早めに伝えておくと効きます。
日が近づいたら、家族に伝えておきたいこと
- 足元——芝や土の上を歩くかもしれないこと。履き替えを一足
- 羽織るもの——海のそばは、同じ気温でも風で変わること
- 折りたたみの傘——移動のあいだのぶんだけでも
- 当日の知らせ方——予定を決める時刻と、誰から伝わるか
風のことを一行入れたのには理由があります。福井の平均風速は月ごとに毎秒2.6メートルから3.1メートルで、十メートルを超える日は一年に十五日ほど、十五メートルを超える日は一年に一日あるかないかです。強い風が吹く日は、数のうえでは多くありません。それでも、外にいられるかどうかを最後に決めるのは、雨よりも風のほうだったりします。数字に出ない程度の風で、体感の気温は下がります。
伝える時期は、日の一週間ほど前に一度、当日の朝にもう一度くらいがちょうどよいと思います。年配のご家族や小さなお子さんがいる場合は、足元の話が特に効きます(高齢の家族と、遠方での結婚式。移動と滞在で配慮したいこと)。
天気と結婚式について、もう少し詳しく
A CLOSER LOOK
ここまで見てきたのは、空の側の事情でした。それを受けとめる建物のほう——福井・日本海のほとりにある二つの会場がどんな形をしているかは会場のページにあります。屋外と屋内が一日のなかでどう入れ替わるのかは一日の流れのページで順番として見ていただけますし、その一日に何が含まれているかはプランのページに置いています。
結婚式の当日に雨が降ったら、どうするのですか?
屋外で考えていたことを、別の時間に移す、あるいは屋内へ移す、という動かし方になります。雨のときにどこへ移れるかは建物の形によって違いますので、そこは候補が絞れた時点で会場に確かめておかれるとよいと思います。その日その会場を使うのが一組だけであれば、次に控えている組がいませんので、順番を入れ替えても他の予定にぶつかりません。ワクテラスであれば11:00から翌日の11:00までの一日ですので、午後がだめでも夕方、翌朝と、外に出られる時間はほかにも残っています。
福井は雨が多いと聞きますが、一日じゅう降るのですか?
気象庁の平年値(1991〜2020年)では、福井の10月は雨や雪の降る日が19.5日ある一方、日が一度も差さない日は4.6日です。差し引くと、およそ15日は、降った日でもどこかで日が差していたことになります。一日に10ミリ以上まとまって降る日は、月に5日から7日ほどです。
屋外にするかどうかは、いつ決めればよいですか?
決める時刻を先に決めておくのがおすすめです。いつ決めるか、誰が決めるか、何を見て決めるか。この三つを打ち合わせのうちに決めておくと、当日は決めた時刻に空を見るだけで済みます。決めたあとに空が変われば、そのつど入れ替えてかまいません。
雨でも、一日は短くならない
天気が崩れて困るのは、その時間にそれをしなければならない、と決まっているときです。決まっていなければ、崩れても、順番が入れ替わるだけです。雨は一日を短くはしません。短くするのは、動かせない予定のほうです。
それに、降っている日の海には、晴れた日には出てこないものが出てきます。窓を叩く音。低く垂れた雲の下で、水平線だけが白く光っていること。傘の下では、思ったより近くに立って話すことになります。そういうものは、晴れの日を待っていたら、たぶん一度も見ないままです。
その日の空模様は選べません。選べないものの前で慌てないように、動かせるところを先に決めておく。天気のことでできるのは、それくらいだと思っています。日取りも季節も、まだ決まっていない段階でかまいません。まずは、お話から。

